旅の途中。

ここは歩き始めた旅の途中

2022 Jul. "Sweet your dream"

はじめに

 二年と半年ぶりくらいにこのブログを更新しようとしています。正直もう更新する機会は来ないと思っていました。本日入社承諾書をポストに投函して就職活動が終了したので、就活の過程でやってきたことや感じたことを簡単に書き記していきたいと思います。
 自分は本当に就活を舐めていて、適当に数社受ければ内定が来るEZ GAMEだと考えていたので割と痛い目をみました。来年以降の就活生とかが何らかの拍子にここにたどり着いたときに役に立つものになるかはわかりませんが、数年後に自分で読み返したときにこんなことあったな~くらいの気持ちで振り返れるものになっていればいいかなと思います。
 承諾書に日付を記入していて気づいたのですが今日はなんと七夕らしいです。ここ最近の東京は天の川も干上がってしまいそうな猛暑が続いていますが、7月頭でこれなら夏本番はどうなってしまうんでしょうか。今年も平穏無事な一年でありますように。
 例によって少し冗長になってしまっているので、移動時間なんかに斜め読みするくらいがちょうどよいかと思います。

どんな人間なのか

 これを記しておくことで参考になるかはわかりませんが、一応。本筋にはあまり関係ないので読み飛ばしてもいいかもしれません。
 自分は現在東大の大学院(新領域)に所属する今修士二年生で、Cheminformaticsと呼ばれる分野の研究をやっています。大学では東大の理科一類に入学してから進学振り分けで理学部の生物情報科学科に進みました。
sifi-border.hatenablog.com

 大学での成績は良が多く、可と優が同じくらいでした。大学で留年はしていませんが、大学受験で一年浪人しています。それ以前は鹿児島の半寮制高校で寮生活を送っていました。
 性格は一言で表すとマイペースだと思っていて、趣味はゲームと散歩です。

就活を始めるまで

 プログラムを書くのがそこまで苦痛ではないのでプログラマーとして生きていきたいなぁみたいなことをぼんやりと考えており、分野は特に考えてなかったです。大企業は就職後の生活も安定していそうだからという安易な理由で、そこそこの知名度の企業ならどこでもいいやくらいの気持ちでした。インターン経験等は某ゲーム会社で1Dayのものくらいで、がっつり開発に関わったぜみたいな経験はないです。
 あと特筆すべき点としては大学1,2年の頃に競技プログラミングに取り組んでおり、AtCoder青というそこそこな実績があります。ほかにアピールできるような要素は全くありません。基本情報などの資格もないし、なんなら運転免許証すら持ってないです。
 ここからは社名はぼかしながら時系列順に書き記していきたいと思います。曖昧な記憶を頼りに書いているので、イベントの時期や順序がおかしくなっているかもしれませんがご了承ください。

1社目

 修士一年の秋ごろまでは就職活動に関連することは何もしていなかった。(インターンすらどこにも応募しなかった*1。)冬ごろからTwitterで内定報告を見かけるようになり若干焦ったのを覚えている。12月ごろにTwitterの広告で、国内大手の某社の新卒募集をみかけたのでES(エントリーシート)を書いてみたところ、通った。その後複数回の面接や試験を経て最終面接までこぎつけ、面接後も手ごたえを感じていたが、あえなくお祈りされた。理由も述べられずに「ご希望に添えずすみません」とだけ言われても全く意味不明で、これにはかなりショックを受けた。
 今思い返すと心当たりはあり、どんな企業でも必ず聞いてくる質問として「他にどんな企業を受けていますか?」というのがあるが、当時はその一社のみを受けて就活を終える予定だった(は?)ので「ほかにもう一社考えてます(ウソ)けど御社が第一志望です!」みたいな頓珍漢な回答をした気がする。当時の自分はこの質問を「御社!御社!」言わせるための無意味な問答だと捉えていたが、おそらくあの人事は私の就活の軸を見定めようとしていたのではないかと思う。ここで言う就活の軸とは希望する職種(フロントエンドなど)とか興味のある分野(ブラウザ、セキュリティなど)とか、入社後の成長を期待させるような何かなのだと、就活を経て思う。要するに自分がやりたいことである。もしかしたら違うのかもしれない。結局私には最後まで就活の軸がなかった*2。まあそれでも内定を出してくれる企業もあるわけで。ただほとんどの企業はこの軸を重要視する傾向にあるので、これから就活を始める人はそこを意識するといいかもしれません。
 就活の軸もないガバガバ人間なのがよく大手の最終面接までバレなかったなという感じだが、滑稽にも当時はメールの送信ミスじゃないかと疑っていた。なんなら親にも相談して「就活は恋愛と同じ!企業との相性でしかないんだから!次いこう!」みたいな励ましをもらっていた。生まれてこの方恋愛経験0なのでソウデスネという感じだったが、「相性なら仕方ないわね」といいように捉えて精神安定を図っていた。

2社目

 初っ端に大手から就活の洗礼を浴びたわけだが、これがトラウマとなり完全に就活に嫌気がさしてしまった。能力だけではない何かで評価される世界。大学入試の方がよっぽど気楽だった。なにせ合格最低点さえ超えていれば晴れて入学な訳で、これほど明確で客観的な基準はない。採点基準は非公開だけど。
 しかしこのままではニートまっしぐら*3なので、春休み中に億劫ながらも応募したのは先述したインターン経験のある某社だった。動機としては「ゲームを作りたい!」というよりは「今勢いがあって知名度もあるしなぁ」という至極単純で薄っぺらいものであった。学歴パンチでESは通ったものの、その後のオンライン説明会では結構な人数がいたのだが、他の参加者が自分にはない何かを持っているように思えて窮屈に感じた。これがやりたい!というものが本当になかったのでESでも適当に分野を選択していたが、志望理由書を提出したところでお祈りされてしまった。まあ熱量が無い人間が面白いコンテンツを創れるわけもなく...妥当な判断だと今なら思います。その企業のコンテンツであるDCG(デジタルカードゲーム)を普段楽しんでいることもあり、当時は結構辛かった。
 二度のお祈りを経て、このままではどの企業からも内定は出ないと確信した。そこそこの実績と学歴だけではダメで、人事に訴えかける何かが必要だと*4。しかしどうすればいいかは全く見当もつかなかった。足りないものが何かも分からないし、どうすれば見つかるかも分からない。これが4月下旬あたりで、Twitterでは同期の内定報告もかなり見かけていて精神的に参っていた*5。どのくらい参っていたかというと、母親に電話で八つ当たりじみた発言をしてしまったこともあった。親には本当によくしてもらってきたのでかなり罪悪感があり余計最悪な気分になってしまったのを覚えている。

n社目

 結局何も改善されないまま3社目のあたりをつけ、ES書くか...となっていたところに母親から就活支援サイトのリンクが送られてきた。こういうの胡散臭くないか?と思いながらも登録してみると、なんと様々な企業から毎日メッセージが届くではありませんか。加えて就活エージェントなる人との面談の機会も設けてもらい、自分の就活の方針(有名企業がbetter)を説明すると「大企業は確かに安定しているが配属先の問題とかで自分のやりたいことができない可能性もあるけど、規模が小さいところはやりたいことができる可能性が高いわよ」みたいな本質情報を教えていただいたり、何を仕事にしたいか(コンサル?よりもプログラム書く方がいい)を伝えると自分に合いそうな企業を20社ほどリストアップしてくださったりした。リストの企業のHPを見て、気になるものがあれば説明会に参加させてもらったり、時には人事と1対1で面談を組んでもらったこともあった。
 ここが就活での最大のターニングポイントで、就活サイトに登録してからはちゃんと就活してる感が得られて救われた気分になった。それまでは自分が名前を知っている企業しか候補にできなかったので、色々な企業の存在を知れただけでも大きかった。
 一旦まとめみたいになりますが、就活で困ってる人はとりあえず就活支援サイトに登録しましょう。そして有識者に相談しましょう。自分の担当のエージェントさんは面接練習なんかもしてくれてとても助かった。しかも全部無料でした。感謝しかないです。
 進研ゼミの漫画みたいな展開になってしまったが、別に全社内定の最強就活erになったわけではなかった。ただ色々な企業の人事と面談を重ねていくうちに企業側が面接で何を知りたいのかが見えてきたり、今の自分に足りないものを指摘されたりして確実に前進していった。その一つが前述の就活の軸である。「色々な企業を吟味してきたと思うんですが、いいなと思った企業に共通していたポイントは何でしたか?ここが言語化できるといいかもしれませんね」というアドバイスをして下さった人事の方がいて、そこで初めて自分に軸が無いことに気づかされた。ただ特にやりたいことがあるわけではないので、何でもやります!みたいなスタンスを貫くことしかできなかった。
 そこからは割と企業との相性ゲーで、特定の技術分野への関心が無いことよりも競プロの能力や研究内容に興味を持ってもらえて評価してくれた企業もあったし、能力はあるけどプログラミングをゲームだと捉えている(原文ママ)とバッサリ評価する企業もあった。前者の中で特に労働環境や待遇がよさそうで入りたいなとなった企業から運よく6月中に内定を頂き、そこで他の企業の選考はすべて辞退して打ち止めにした。

おわりに

 最後の方はかなり駆け足になってしまいましたが、当然選考の過程には人事の方との面接以外にも技術試験や適性試験などがありました。初めは一社ごとに詳しく書こうとしたんですが、あまりよろしくないかなと思って端折っています。
 結果的に色々な企業の中から選べて納得のいく就活にはなったんですが、もっと早くから動いていればよかったかなと思います。5,6月はかなりの時間を就活に割いていて、平日は毎日面談or面接なんて週もありました。加えて本当にやりたいことが就活を経ても見えてこなかったのは残念でした。エージェントの方との面談中に受動的だと言われたこともあるのですが、本当にその通りだと思います。競プロとかパズルゲームとか与えられた問題を解くことにしか喜びを感じません。しかしそれでは大抵の企業ではマイナス評価な訳で... 就活、受動人間に厳しすぎる。
 ではどうすれば私は能動人間になれたんでしょうか。分かりません。SNSで見る高校同期の大半には夢や目標があって、それに向かってなんらかの努力をしているように見えます。一方私はゲームやネットなど短絡的な娯楽で時間を浪費してばかりです。それはそれで楽しくはあるんですが、こうして文字に起こすと虚しい。夢なぁ...
 なんか話が大きくなってきてしまったのでこの辺で区切りたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。
 

*1:正確には某SNS運営会社のやつに応募したが定員オーバー(は?)ということで流れてしまった。代わりに内定の一次パスはもらったが結局新卒募集には応募しなかった

*2:競技プログラミングを主軸にしてるのでは?と思われたかもしれませんが、競プロでアピールできるのは基礎的なコーディング力とアルゴリズムの知識であり、私が受けた企業の多くはそういった能力よりも特定の技術分野への興味関心を重視しているように感じました。

*3:まあニートも悪くないんですけど、両親が自分に投資してきた金額や時間を顧みると流石に申し訳なさすぎる

*4:これは私個人の意見で、とびぬけて優秀な人材なら企業からスカウトされてもおかしくないと思います。

*5:今見返したらお祈りから一か月くらい何も呟いてなくてワロタ。タイムラインを追ってなかったわけではないんですが、ツイートにはある程度精神力が必要らしい。