旅の途中。

ここは歩き始めた旅の途中

2019 Jun,Jul&Aug "Clear Sky"

はじめに

 気温が高い日が続いています。試験が終了してから一ヶ月ほど経過しましたが、だらだら課題やらレポートやらを片付けていたら時間はあっという間に過ぎ去っていきました。ここ三ヶ月の振り返りをやっていきたいと思います。

 本記事群は、この先記憶喪失になったとしても、一読することで過去の自分と遜色ない言動を可能にし支障なくその後の人生を送れるようにという目標を念頭に執筆されています。

 チョコミントアイスでも頬張りながらしばしおつきあいください。

大学について

学科生活

 一言で形容するならニートのような生活を送っていました。実験を除いた講義への出席率は体感で二割程度だと思います。
 原因は大きく二つあって、一つは朝全く起きられなくなってしまった事が挙げられます。二つ目は、授業に出席する意義が見いだせなかったことです。これらの原因は独立しているようで実は密接に関連しています。弊学科で開講されている必修の講義は全てターム制なのですが、前のタームとは打って変わってそこまで興味が持てない内容を扱いだしたり、教員のやる気がひどかったりしたので、講義へのモチベーションが下がっていきました。すると講義に間に合う時間に起床しても「まあ行かなくていいか」となり二度寝の習慣がつき、生活リズムが乱れて他の曜限の出席も困難になります。そしてその講義の進度から後れを取り内容がわからなくなって「後から自学すればいいか」となりますます出席のモチベーションが下がります。あとはこの繰り返しです。
 結局試験は(いつにも増して)授業スライドと独学で乗り切ったような感覚でした。度々「俺は何で大学に籍を置いてるんだろう」と自問したことを覚えています。

 生物実験でシークエンサー(ゲノムを読む大きくて高価な機械)を用いる機会があり二週間ほど柏に行っていました。想定通りド田舎ではあったのですが、東京の喧騒というか人ごみにうんざりしている私にとってはとても魅力的な場所に映りました。駅から遠いのが難点ですが閑散とした敷地は広くて緑に囲まれており、キャンパス内においしい海鮮料理を提供しているお店もありました。

3Sで履修した講義

 簡単にではありますが内容や授業形式を振り返っていきます。

生物情報実験法
  • 必修です。生物実験のない日の午後ふたコマはこの講義です。三人の先生が四週ずつ受け持っていて、それぞれ違う課題を課してきます。
  • 一人目の先生(fkngさん)の焼きなまし(TSP(巡回セールスマン)のソルバーを書いて山登り法と比較した)やA*(ダイクストラ法にヒューリスティックなコストを取り入れた探索アルゴリズム。スライドパズルのソルバーを書いた。これが一番楽しかった。)が印象に残っている。
  • 後はOpenCVを触ったり、HDDへの書き込み時間を計測したり、微生物のゲノムデータを渡されて何か研究しろみたいな課題があった。
離散数学
  • 理情の講義ですが、一応「必修以外にもこの中から12単位取れよ」なる講義群に含まれています。講義の中では今季一番面白かった。
  • 平面グラフの話からはじまり、最大フロー最小カットの証明をして、続いてこれらを線形計画問題として一般化して双対性(そうついせいと読む)や相補性条件に触れ、マトロイドがちらっと出てきたところで終わってしまった。(あやふや)
  • 内容は面白かったが教員の説明が微妙だったのと(は?)、試験絶起して10分しか試験時間がなかったのでおそらく落単したため、悲しい。
  • 成績発表があったので恐る恐る確認したところ、可でした。優しい世界だなと思うと同時に、ちゃんと受けてれば優きたかもなという感じだったので悲しくもなった。
情報論理
  • 理情の講義ですが、一応「必修以外にもこの中から12単位取れよ」なる講義群に含まれています。今回一番謎だった講義。(自分の理解度がゴミだった)
  • 計算可能性から始まって命題論理・述語論理をあつかってゲーデル不完全性定理までやったようです。出席してないので伝聞です。
  • 配布されたPDFをマイペースに読んで試験を受けただけ。履修する意味がなかった。悲しい。成績はこちらも可でした。
生物統計学演習
  • 東大出版の統計学の教科書をベースに毎週C言語で色々書かされます。授業自体は虚無だったが統計の基礎のいい復習になった。
  • 出席重視と言明されていたのに四欠席してしまったが蓋を開けてみれば優。毎週の課題をきちんとこなすのが大事っぽい。
ゲノム配列解析論
  • 弊学科で開講されている必修の講義です。
  • ホームページをスライドに映し出して講義が展開されていくのですが、文字が見にくかったり、Texが崩れていたりして散々だった。
  • 内容はHMM(前向き・後ろ向き・Viterbi)を扱った後、Nussinov,Zuker(RNAの二次構造を概算するために塩基の括弧対応を求めるDP)の話とか出てきた。試験はクソ簡単だった。
  • 全体的に準備不足を感じたので意見を投げる予定。来年以降改善されてるといいね。
  • 試験は優・可(は?)でした。(ターム制なので中間と期末の二回試験
生物情報ソフトウェア論
  • 弊学科で開講されている必修の講義その二です。
  • 前半は文字列解析の話で、後半は様々な話題を扱っていたようだが一回も出席しなかったので分からない。
  • SA_IS(SuffixArray_InducedSorting)を書かされる課題があります。私はここを参考にC++で書きました。(分かりやすい)

mametter.hatenablog.com

  • この講義の最大の特徴は褒めて伸ばすコードレヴューだと思います。とにかく褒めまくる。
  • 試験は優・優でした。
ゲノム生物学・システム生物学
  • 弊学科で開講されている必修の講義その三です。
  • 前半のタームではゲノム生物学、後半はシステム生物学という感じです。
  • ゲノム生物学についてはなんかRNAについて話してんな〜という感じであまり深くは理解できませんでした。そもそも金曜1限なので出席が難しい。
  • システム生物学は同じ時期に生物実験でMATLABのシュミレーションを書くので相乗効果で良い感じに理解できてよかったです。
  • 試験はどちらも簡単で優が来ました。(毎年使い回しっぽい)
生物実験
  • 色々やりました。ダチョウの卵からリゾチーム(タンパク質)を抽出しようとしたり、シークエンサー触ったり。私は主に虚無を担当していました。
    • 鶏卵用のプロトコルをそのまま適用した所、カラム交換(?)のところで詰まって恐らくそこで全てが終了した(以降の反応でリゾチームらしきものは全く確認されなかった)ので来年はまた改善されてるといいですね。
  • レポートが全然終わらなくて控え室に二泊72時間滞在して18:00ギリギリに提出した。プリンターが調子悪くて死を覚悟したけど必死に声援を送っていたら動いたのは感動しました。

 あとは工学部の授業をちょろっと履修していました。ハードウェアについて少しわかって来た気がします。

イベントなど

CtR 武道館公演

 InoriMinaseLiveTourの話です。武道館両日に参戦しました。初日は金曜日だったので実験を休んで行きました。
 初日は目の前が通路で、思いっきりはしゃげました。Step Up!の時に眼鏡が吹っ飛んでなかなか見つからず結構焦ったのを覚えています。あとはラストのCatch the Rainbow!の際に涙ぐんでつっかえていた水瀬いのりさんを支えるようにファンたちが歌唱していたのがエモポイントではないでしょうか。こういう表現をすると一気に安っぽくなってしまいますが。
 二日目は何と言っても夢のつぼみでしょう。過去の思い出が蘇り、色々な感情が湧いては消えていきました。
 他にも色々よかった点がありましたが、詳細は忘れてしまいました。良かったな、という感情の残滓のみが今も胸中に残っています。

映画など

この三か月の間に映画を二本ほど見ました。

青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない

 これです。原作の内容を忘れかけで行ったので新鮮な気持ちで鑑賞できました。映像になっても素晴らしい作品だったと思います。

天気の子

 見る気は無かったが高校同期に誘われて見に行った。テンポの良さとか場面演出とか映像のキレイさは流石だなと思ったが、ラストが腑に落ちなかった。続きがあるとかならわかるんですが。しかし非日常な冒険劇は見ているだけで楽しかった。

アニメ

 全然アニメを見ていない。京アニの例の事件があってから。いや直接関係してるわけじゃないんですが、事件直後からなんとなくアニメをみる気力が湧かなくなってしまった。

2019 Summer

  • ひとりぼっちの〇〇生活

 ジェネリックきらら。三ツ星カラーズとは打って変わって学校生活がメインだった。優しい世界。ここまでタイプして思い出したけど前の記事にも同じ感想書いたな。

2019 Autumn

  • まちカドまぞく

 半年ぶりの純正きらら。原作の熱狂的なファンの期待に応えんとする製作陣の意気込みが伝わってくるクオリティの高い作品になっている。やっぱこれだな〜〜〜〜

 他のコンテンツに時間を吸われているのもあり、他には何も視聴していない。

VOICEROID

 この三ヶ月間もっとも時間を吸われているコンテンツ。ざっくりいうと音声読み上げソフトの一種*1で、製品毎に声質とキャラ設定が異なっている。コンテンツは大別して以下の四種がある。

ゲーム実況

  • ゲームを録画して、あたかもVOICEROIDのキャラクターがプレイしているように編集した動画。もしくはキャラに「マスター」と呼ばせて主従関係にある投稿者もいる。マジョリティっぽい。

解説動画

  • なんらかのトピックを解説する動画。ジャンルは技術系から政治系まで幅広い。

劇場動画

  • 公式のキャラ設定にのっとったりのっとらなかったりしながら繰り広げられる寸劇。長編の物もある。

歌うやつ

  • 音声読み上げソフトに歌わせるやべー動画。喋る初音ミクの逆。ただ一部のボイロキャラの音声はボカロとしてもリリースされているのでハイ。

 
 今まで全く知らなかった世界が広がっていて、久しぶりに興奮を覚えた。
 前から気になっていた壺おじ(getting over it)がモバイル版で発売されたとかでプレイ動画を漁っていたら以下の動画に出会ったのが発端だったと思います。

 中学生の時とかにボカロを聴いた時の感想って歌声というよりは電子音っぽいというのが率直な所だったのですが、現代のボイロの読み上げの自然さとか人間っぽさに度肝を抜かれました。暇さえあればボイロ動画を漁って、作業中も大体歌うボイロの動画を流しています。

 ボイロ動画の興味深い点として、公式設定がそこまでガチガチに固められていないというのがあります。例えば紲星あかりだと、(以下文と絵は公式サイトより引用)

『VOICEROID2 紲星あかり』は、明るい女の子の可愛らしい中にも優しさあふれる声をベースとした入力文字読み上げソフトです。
あなたのお好みの文章や言葉をテキストで入力するだけで、簡単に読み上げさせることができます。VOICEROID2では新たにエディター方式を採用。複数の音声データベースをひとつのプログラム上で操作することができるようになりました。また、一文ごとに別々のボイスを割り当てることで対話のような編集も可能です。

という説明と一枚の立ち絵しか情報がありません。

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Akari Kizuna
 なので同じキャラでも投稿者によって調声(声の高さ、テンポ、口調)や性格(一人称も違ったりする)、はたまた人間関係(恋人だったり家族だったり赤の他人だったり)が違ったりしていて全く見ていて飽きません。例えばアニメキャラで同じような動画を作ろうとすると、原作の設定という枷がある以上登場人物に好き放題させてしまうと原作の世界観が薄くなってしまいます(SSとかだとそんなんばかりですが)。ボイロでは厳密な原作が存在しないので各動画の世界観に没入できるというかなんというかうまく言えませんがこの自由度の高さがボイロコンテンツの売りなのかなと思います。

 以上長々と書いてきましたが、まだ世界を知って日が浅いので間違ったことを書いているかもしれませんのでその点ご了承ください。

終わりに

 去年書いた学科内定時の記事へのアクセスがいくつかあったようで、そういや進振りの季節かと思い至ったので、今回は3Sの授業内容などを少し詳しめに書き記しておきました。第一段階は終わってしまったようですが、人によっては色々調べている頃合いではないでしょうか(自分もこの学科についてちゃんと調べ始めたのは第二段階直前でしたね...)。主観的な感想になりますが、人数が少ないのと理学部で一番新しい学科というだけあってそこそこお金がかかっていて面倒見のいい学科だと思います。この記事が学科選択の一助になれば幸いです。
 三ヶ月だとイベントが色々ありすぎて書ききれない感があるので、やはり二ヶ月置きがいいですねという感じがします。次回の更新は九月の終わりか十月頭くらいにしようと思います。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。それではまた。

www.pixiv.net

*1:Cevioも大手っぽい